人間の判断能力と運転
速度と視野の関係
自動車の速度が速くなればなるほど、運転者の視野は狭くなる。
~人は、(遠く)を注視し、(近く)を見落とす習性がある~
二輪車の見え方
小さいので、実際の距離よりも(遠く)に見え、速度は(遅く)感じる。二輪車は見え難く、死角(対向車の左後方等)に入り易い。
同じ距離の前方車両でも、大型車と乗用車では見え方(車間距離)が異なる
大型車では、車間距離に余裕が(ある)ように感じる。実際の車間距離は取れていない。
普通車では、車間距離に余裕が(ない)ように感じる。実際の車間距離は取れている。
大型車の構造と運転
ホイールベースは、長いほど内輪差は大きくなる(小回りがきかない)
オーバーハング(タイヤの外側からはみ出た車体部分)車は、ハンドルをいっぱい切ると、対向車線への車体後部のはみ出し量が多くなり、対向車や障害物との接触可能性が大きくなり、危険。
追い越し時の注意
追い越す車と、追い越される車の速度差が小さいほど、追い越しが終わるまでに長い時間と距離が必要になる。(車体の長いトラックは、その長さの分、長く時間と距離がかかる)
自動車の停止距離 = 空走距離 + 制動距離
空走距離とは
危険を感知した後、ブレーキ・ペダルを踏み込むまでに走行してしまう距離。
~時速80kmで走行(ノーブレーキ状態)していれば、1秒間で約22m走行する~
①時速80kmとは、1時間で80km進む、ということ
②1時間で80km進むということは、60分では80,000m進むということ
③60分は3,600秒なので、3,600秒で80,000m進むということと同じ
④1秒間では、80,000m÷36,000秒=22.2m
制動距離とは
ブレーキが効きだしてから停止するまでに走行してしまう距離。
~ブレーキ性能、タイヤの摩耗状況、路面状況、車両重量(+荷物重量)などにより、制動距離は変わる~
自動車の走行時に生じる諸現象
ブレーキの使い過ぎにより発生する現象
・フェード
ブレーキライニング(摩擦材)が過熱することで摩擦係数が低くなり、ブレーキの効きが悪くなる現象。
・べーパー・ロック(べーパー=蒸気、気化物という意味)
フットブレーキを使い過ぎることで、その熱がブレーキ液に伝わりブレーキ液が沸騰し気泡が出来てしまい、その気泡が緩衝材になり油圧がブレーキ装置に伝わらなくなりブレーキが効かなくなる現象。
路面が濡れている状態で起きる現象
・ハイドロ・ブレーキング
水の溜まっている道路を高速走行すると、タイヤの溝が排水しきれず、タイヤが水に浮いたような状態になり、コントロール不能に陥る現象。
・ウエット・スキット(スキット=滑るという意味)
雨の降り初めに、路面にある油分や土砂等の粒子が、雨の一滴と混ざり浮き出して路面に薄い皮膜が出来る。その一滴ずつが路面の広範囲にあるため、その皮膜の上で急ブレーキや急ハンドルをするとコントロール不能に陥る現象。
その他の現象
・スタンディングウエーブ
空気圧の低い状態のタイヤで連続して高速走行すると、タイヤに「たわみ(変形)」が生じタイヤが波打つような状態になり、発熱し最後には破裂(バースト)する現象。
衝撃力・慣性力・遠心力
速度の2乗に比例して大きくなる。
~速度が2倍になれば4倍に、3倍になれば9倍。
~速度が2分の1になれば、衝撃力、慣性力、遠心力は4分の1。
重量に比例して大きくなる
重量が重いほど、衝撃力、慣性力、遠心力は大きくなる。
カーブの半径が2分の1になると、遠心力は2倍
走行中、大地震が発生したらどうするか
基本は、道路外に車両を移動する。止むを得ず道路上に置いて非難する場合は、
道路の左側に寄せて駐車し、エンジンは止め、エンジンキーは付けたまま、窓を閉め、ドアロックはしない。
踏切通過時
ギアチェンジはせず、進入時のギアのまま通過する。(エンストの防止)
踏切で立ち往生した場合
直ちに(立往生した段階で)、踏切非常ボタンを押す
踏切非常ボタンが設置されていない場合は、非常信号用具により、直ちに、踏切に立ち往生していることを列車の運転士等に知らせる。
非常通報が最優先、まず、列車(運転士等)に知らせること。
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