点呼時の指示集 Ⅲ

点呼ネタ
交通事故は、なぜ起きるのか。油断した、予見できなかった、前を見ていなかった、体調が悪かった、過信した、能力を超えた運転、不可抗力、自動車の故障、酒や薬で正常な運転が出来なかった等など、言い尽くされた原因、そして対策。結局は、人間は必ず、ミスをするからだと思います。分かっていることでも、時々確認することは大事です。貨物、旅客両方の運行管理者試験にもよく出ていることからも分かります。

人間の判断能力と運転

速度と視野の関係

自動車の速度が速くなればなるほど、運転者の視野は狭くなる。

~人は、(遠く)を注視し、(近く)を見落とす習性がある~

二輪車の見え方

小さいので、実際の距離よりも(遠く)に見え、速度は(遅く)感じる。二輪車は見え難く、死角(対向車の左後方等)に入り易い。

同じ距離の前方車両でも、大型車と乗用車では見え方(車間距離)が異なる

大型車では、車間距離に余裕が(ある)ように感じる。実際の車間距離は取れていない。

普通車では、車間距離に余裕が(ない)ように感じる。実際の車間距離は取れている。

大型車の構造と運転

ホイールベースは、長いほど内輪差は大きくなる(小回りがきかない)

オーバーハング(タイヤの外側からはみ出た車体部分)車は、ハンドルをいっぱい切ると、対向車線への車体後部のはみ出し量が多くなり、対向車や障害物との接触可能性が大きくなり、危険。

追い越し時の注意

追い越す車と、追い越される車の速度差が小さいほど、追い越しが終わるまでに長い時間と距離が必要になる。(車体の長いトラックは、その長さの分、長く時間と距離がかかる)

自動車の停止距離 = 空走距離 + 制動距離

空走距離とは

危険を感知した後、ブレーキ・ペダルを踏み込むまでに走行してしまう距離。

~時速80kmで走行(ノーブレーキ状態)していれば、1秒間で約22m走行する~

①時速80kmとは、1時間で80km進む、ということ

②1時間で80km進むということは、60分では80,000m進むということ

③60分は3,600秒なので、3,600秒で80,000m進むということと同じ

④1秒間では、80,000m÷36,000秒=22.2m

制動距離とは

ブレーキが効きだしてから停止するまでに走行してしまう距離。

~ブレーキ性能、タイヤの摩耗状況、路面状況、車両重量(+荷物重量)などにより、制動距離は変わる~

自動車の走行時に生じる諸現象

ブレーキの使い過ぎにより発生する現象

・フェード

ブレーキライニング(摩擦材)が過熱することで摩擦係数が低くなり、ブレーキの効きが悪くなる現象。

・べーパー・ロック(べーパー=蒸気、気化物という意味)

フットブレーキを使い過ぎることで、その熱がブレーキ液に伝わりブレーキ液が沸騰し気泡が出来てしまい、その気泡が緩衝材になり油圧がブレーキ装置に伝わらなくなりブレーキが効かなくなる現象。

路面が濡れている状態で起きる現象

・ハイドロ・ブレーキング

水の溜まっている道路を高速走行すると、タイヤの溝が排水しきれず、タイヤが水に浮いたような状態になり、コントロール不能に陥る現象。

・ウエット・スキット(スキット=滑るという意味)

雨の降り初めに、路面にある油分や土砂等の粒子が、雨の一滴と混ざり浮き出して路面に薄い皮膜が出来る。その一滴ずつが路面の広範囲にあるため、その皮膜の上で急ブレーキや急ハンドルをするとコントロール不能に陥る現象。

その他の現象

スタンディングウエーブ

空気圧の低い状態のタイヤで連続して高速走行すると、タイヤに「たわみ(変形)」が生じタイヤが波打つような状態になり、発熱し最後には破裂(バースト)する現象。

衝撃力・慣性力・遠心力

速度の2乗に比例して大きくなる。

~速度が2倍になれば4倍に、3倍になれば9倍。

~速度が2分の1になれば、衝撃力、慣性力、遠心力は4分の1。

重量に比例して大きくなる

重量が重いほど、衝撃力、慣性力、遠心力は大きくなる。

カーブの半径が2分の1になると、遠心力は2倍

走行中、大地震が発生したらどうするか

基本は、道路外に車両を移動する。止むを得ず道路上に置いて非難する場合は、

道路の左側に寄せて駐車し、エンジンは止め、エンジンキーは付けたまま、窓を閉め、ドアロックはしない。

踏切通過時

ギアチェンジはせず、進入時のギアのまま通過する。(エンストの防止)

踏切で立ち往生した場合

直ちに(立往生した段階で)、踏切非常ボタンを押す

踏切非常ボタンが設置されていない場合は、非常信号用具により、直ちに、踏切に立ち往生していることを列車の運転士等に知らせる。

非常通報が最優先、まず、列車(運転士等)に知らせること。

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