石臼の目立て具合が良くなったのか、臼の回転にあった玄蕎麦の投入量が適量になったのか、微粉が多くなりました。試行錯誤で自分流の蕎麦粉を挽いていますが、臼の目立て具合で細かな粉も粗い粉も出来ることが、少しづつ分かってきました。奥が深いので、楽しくて仕方がないという感じです。
石臼で脱皮は、難しい
今回、玄蕎麦の殻を石臼で外そうとしましたが、これが難しいもので蕎麦殻は外れましたが、実が殆ど、砕けた状態になりました。「抜き」と呼ばれる黄緑色が混じった白い粒が出来るものと思っていましたが、ミキサーで挽いたような状態になりました。特に在来種は、粒が小さいので難しいのだと思います。石臼の外縁部の隙間をどれくらいにするか、なのでしょうけど、隙間が広いと割れない、逆に狭いと実が殆ど砕ける、という状況です。蕎麦殻を外す機械が無いと駄目なのだと思います。
殻混じりの砕けた実を石臼に投入
昔の人は、石臼で殻を外していたでしょうから、同じような結果になったのだと思います。「抜き」をどのようにして作ったのか不思議ですが、県内の有名な蕎麦屋さんで、粉砕機で玄蕎麦を砕き、「箕(み:選別用農具)」に入れて蕎麦殻を吹き飛ばして、砕けた蕎麦の実を石臼で挽いているお店もありますので、真似をして外れた殻のみを取り除き、殻混じりの砕けた蕎麦の実を挽いてみました。
砕けた実は、玄蕎麦用の自動供給装置では適量が投入されないので、足りないと思う分、直接、物配り穴に砕けた実を入れて挽きました。臼の回転に合わせ、臼の外縁部からポロポロと蕎麦粉が落ちますが、かなり細かい粉になっている様子でした。
34メッシュの篩で篩った蕎麦粉
20メッシュの篩で大きな殻を、更に34メッシュの篩で小さな殻を取り除きましたので、34メッシュ程度の粒と、微粉(60メッシュ相当)ということになります。殻の微粉(星)も当然に混じります。それ以上は篩いませんでしたので、蕎麦殻の微粉と34メッシュ程度の粒が混じる黒っぽい蕎麦粉、ということになります。一見、粗そうな感じの粉ですが、これが見事に十割の細麺が出来る粉でした。2㎏の玄蕎麦から、約1350gの蕎麦粉が取れました。歩留まり率が少し悪い挽き方ですが、玄蕎麦十割で挽く方法と、石臼で蕎麦殻をある程度取って、殻混じりの砕けた実を挽く方法を比べて、歩留まり率や蕎麦の味を比較してみたいと思います。
今回の蕎麦の出来(殻を外して砕けた実と玄蕎麦約3割)
今回は、石臼で蕎麦殻を外し、砕けた実と、粉と、取りきれなかった蕎麦殻付きの実(約3割)、を挽いたものでしたが、最近の目立ての具合で微粉の量が多くなったのか、水回しも延しの作業も畳んでも、繋がりの良さを感じる蕎麦粉になりました。
出来上がりは、写真の通り、2キロ打ちに近い程、延しの作業で広げましたので、細麺に仕上がりました。昨年の玄蕎麦でしたが、打っていても香りが漂い、食してみても蕎麦の風味を強く感じる十割蕎麦になりました。美味い。この方法はいけるかも?
今回、22.5㎏入りの昨年度の玄蕎麦を入手しましたので、存分に試し挽きが出来ます。それにしても昨年の蕎麦の出来は良かったと実感します。
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