前回、放送大学についてザックリとしたことを書きましたが、今回は、少し具体的に、位置付け等、学習の裏技、取得できた資格等について書いていきます。最近、ブログランキングでも放送大学の広告が良く出ていますが、電波を使う大学だけにネット環境に強い学校なんだなぁと思います。OBの生の声は聞けないと思いますので書いていきます。興味をお持ちの方、ご覧ください。
元々は国立、今は国設の私立大学
放送大学は、1983年に特殊法人放送大学学園が設置した大学ですが、設立時は国立扱いでしたが、2002年「特殊法人等整理合理化計画」により、特別な学校公法人が設置した私立大学、となったものの、国が個別の法律により設置した大学、ということで、国設の私立大学という位置付けです。又、全国にある学習センターの多くが国立大学の敷地内にあること、教職員の9割が文科省、総務省、財務省、国立大学等からの出向者で占めること等から、一般的な私立大学とは性格を異にしています。(引用:wikipedia)
偏差値の対象外
放送大学の全科履修生(学士を目指す方)は、他大学と同様に高校卒業、同程度認定試験が前提ですが、その資格が無くても「大学個別入学審査制度」により入学が可能。入学試験もありません。又、選科履修生、科目履修生については、入学年度学生の初めに15歳以上であれば学歴は不問です。 (引用:wikipedia)
ニートだったとか、身体に障害をお持ちで就学できなかった方、勿論、高齢者の皆さんも利用されています。外国人の方もおられるようです。放送大学は学校開設の目的そのものが、入試で絞る学校ではなく、「誰にでも開かれた大学」がコンセプト。
外国人ネタですが、履修科目の申込みを間違えたことがあります。「日本語の基礎」を選択し、教科書が来たので開いてみると、何とも簡単なもので、それもそのはず、外国人向けの教科書でした。取消せないので単位認定試験も受けましたが、勿論、100満点でした。
学習は自分のペースで
放送授業をスケジュール通り、一時限毎に聞き教科書もその授業に合わせて開いていくのが原則だと思いますが、それでは、学習に時間がかかり過ぎると思います。教科書の中身、内容を試験が受かる程度に理解すれば良い、と割り切り、要領よく学習することも大事です。例えば、放送授業の教科書は、前半分が通信指導対応になっているので、教科書が来たらなるべく早く半分を速読する。ビデオや音声の放送授業は、ゼロから見るより、教科書を事前に読んで概要を掴んでおくとよく分かるし、また、放送授業の倍速モードが使えるので時短になります。教科書で理解できた所は、放送授業は端折ってもいい、と割り切ると、かなり効率が上がります。
放送授業を一切、見ない、というのは、明らかなルール違反で、端折っても必ず、見てください。見ていると授業の中身だけでなく、教授の個性や工夫(ご苦労振り)が見えますし、私は、自分が人に物事を教授する、説明する、という時の勉強だと思い、各先生の教え方そのものを見させていただいていました。本当に上手な方がおられますので、参考になりました。
尚、教科書は、ネットで検索すれば、中古品が販売されています。最後に触れますが、落書きの無い新品のような中古品もあるようです。
試験対策
何時の時代の学生も苦労しているが単位認定試験。教科や先生の問題の出し方にもよりますが、難しい教科は本当に難しい。一度不合格で二回目も、やっと60点台、C評価、という科目が二つほどありました。教科書持込禁止で暗記を試される試験は最悪です。又、記述式の問題は、構文力と表現力も試されますので、これも難しいと思います。学生には、色々な方がおられますが、若い頃にトップクラスの国立大学を卒業された方で、趣味は勉強、Aでなければ納得せず、グランドスラム(全コースを履修した人)達成人という方がおられましたが、このような方でも、ご自身のブログで時折、今日の試験は難しかった、との感想を書かれていました。凡人は、なお一層、難しく感じます。
過去問
試験科目の過去問を知ると、非常に有利です。但し、新規登録科目は過去問がありません。過去問のあるものだけで単位取得を目指すという手もありますが、それは本末転倒かと思います。ネットを検索すれば、先達の指南書が多数見つかります。利用しない手はありません。私も良く利用しました。過去問のサイトでは、確か問題自体の評価もありました。合格率の悪い科目は、「回避」という選択肢が、あると思います。
付箋、指サック
教科書、ノート持込み可の科目は、質問の内容が教科書の何処に書いてあるのかを短時間に見つけるのが鍵です。問題を見て、教科書のどこに書いてあるのかがピンと来たならば、後は落ち着くだけ、早とちりしない様に慎重に問題を読み、回答するだけ。
ピンとこない場合は、目次、索引を先に見て、同じような言葉が無いか調べます。見つけたら、ページ数を見て素早くページを捲り、速読し、問題のポイントを掴む、というやり方が良いと思います。事前の対策でしておいた方が良いのが、段落毎のインデックス付けと、要点の付箋付け。インデックスと付箋には、コメントを書いておくと検索がし易いと思います。
更に、教科書のページを迅速に捲るためには、指サックは必須です。指を舐め舐めでは、汚くて仕方がないし唾も枯れる。私が受験している時の監督官は、さぞ可笑しかったのでは、と思います。スタートと同時に問題を見て、その後直ぐに教科書をペラペラぺラペラと捲りまくっていましたから。
資格は、自分次第
全科履修生は卒業時、卒業証書・学位記が貰えます。124単位の履修証明と学士(教養)の学位です。覚えたことは忘れるので、入り口に立った証明として捉え更に研鑽する、ということなんでしょうが、なかなかそうはいきません。しかし、気持ちはそうありたいと、自覚しています。
放送大学には、「科目群履修認証制度(放送大学エキスパート)」というものがあり、私も幾つか取得しました。と言うか、エキスパートを取得できる科目を選んで単位を取っていた、ように思います。これとこれを選択すれば、二つのエキスーパーの加点になる、といった具合に単位取得とエキスパートの取得を絡ませていましたので、面白く単位取得ができました。
私が取得したエキスパートは、今とは少し異なるようですが、「異文化理解支援」、「日本の文化と社会」、「芸術系博物館活動支援」、「歴史系博物館活動支援」、「地域生涯学習支援」、「社会企画士」、「アジア研究」、「現代社会の探求」の8種類でした。認定証とカードを購入しましたが、今のところ、学習の励みだったことと自己満足に過ぎない、と感じてはいます。全科履修生を卒業した後、二つのコースに学士入学し卒業しましたので「心理学基礎」が追加され、合計9種類です。
又、心理と教育コース卒業後に「認定心理士」、生活と福祉コース卒業時に「社会福祉主事任用資格」をいただきました。「認定心理士」の資格があったので、日本交通心理学会から「交通心理士」の資格もいただきました。現在は、「交通心理士(カウンセラー)」に昇格しています。「社会福祉主事任用資格」については、そういう職に就く訳ではないので必要は感じませんが、「認定心理士」と「交通心理士」については、学会に加入しているので、今後も活かしていきたいと思っています。
放送大学では、コースの取り方、学び方によって、色々と有用な資格が取れますが、自分の使い方次第だと思います。
使用済み教科書の売却
卒業後、書棚の飾りになっていた教科書の大半を最近、断捨離しました。「テイネイサテイ」という古本買取業者の、放送大学の教科書を高価買取(汚れていてもOK)、という広告を見て利用しましたが、多数のマーカーやアンダーライン、落書きが入った本は、引き取っても貰えるだけがメリットで、私の場合、約80冊の殆どがかなり汚れていたという判定で、1,000円にもなりませんでした。
買取の仕組みは、業者の専用メールで、売りたい教科書の冊数と必要な段ボール個数、振込用の口座番号を記載して送ると、数日後、宅急便(ヤマト)が段ボールを持って回収に来ますのでその時点で段ボールに入れ回収して貰い(送料無料)、事後、業者が査定金額をメールで提示、了解なら買取り金額の振込がある、というものです。中古で出回る綺麗な教科書は、このような業者が販売しているのかも知れません。
OB、現役生間で、譲り合いが出来ると良いと思います。
長々と書きましたが、参考にしていただければ、と思います。
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