ハーネス河合そば粉加工所の水戸守 一さんのアドバイスを受け、上臼のクリアランスを広げました。少し前、知り合いの農家の小屋で恒例の蕎麦会(新蕎麦)があり、そこで初めてお会いした人でしたが、福井の蕎麦界では知らない人はいないと言われる石臼挽きの名人で、私の携帯の中にあった上臼下臼の粉の付き方の写真や自作石臼の動画を見て、すぐさま、クリアランスを広げた方が良い、臼の回転が少し早いのでインバーターを付けると良い、とのアドバイスをいただいていました。
水戸守さんの活動を紹介した、山下商店さんのHPです。専業農家の吉田さんと共に紹介されています。
蕎麦打ち小屋の電源は100Vですし、モーターも単相100Vなので対応するインバーターが無く、歯車を変えるか、200Vの電源を付けてモーターを三相200Vにするしかないので、石臼の回転数を下げる作業は今後の課題として、とりあえずは、クリアランスを広げる作業をすることにしました。
スピードコントローラーは 重宝します
石臼を削る時はグラインダーを使いますが、威力が強すぎて手を焼いていたところ、回転を制御する装置があることを知りました。使い方は簡単で、コントローラーにグラインダーを繋ぎ、コントローラーを電源にセットすれば完了で、つまみ操作で好みの回転数にコントロール出来ます。ブラシ式のモーターの、電気ドリル、サンダー、丸ノコ、ジグソー等の制御に使え、一つあると便利です。もっと早く知っていれば、石臼の太溝を掘る時に苦労しなかったのにと、後悔しています。
上臼のクリアランスは、適当というか、単に空間を作っていただけでしたが、前出の名人によれば、外周部の粉の付き方が広すぎるので、クリアランスをもう少し広げると良い、とのことでした。指摘の通り、上臼の外周の内側約3㎝のところに鉛筆で線を挽き、そこから臼の中心部に向けて削って行きました。スピードコントローラーに付けたグラインダーは、とても扱いやすい道具に変身しており、作業は殊の外、捗りました。粗削りをした後は、グラインダーの砥石を手で丸く撫で回して仕上げをし、その後、細溝をルーター(中心に近いところは単なる飾りです。)で付けました。コントローラーは、楽天で6,755円でしたが、費用対効果は抜群です。
クリアランスの働き
これまでは、クリアランスが狭いために粉挽きが行われる外周部への移動途中で粉砕が始まり、上臼が浮きがちになっていたらしく、試し挽きをした後、上臼を外して見ると、外周部の粉が付く幅が明らかに狭くなっており、出来た粉も60メッシュの篩を抜ける粉が、少し多くなっていました。上臼の浮きや粒度の制御は、物配り穴に落ちる量、臼の回転数、上臼の重さと理解していましたが、クリアランスの容量を増やすことでも、石臼の浮きが制御され、粒度をコントロールできることが分かりました。名人のアドバイス恐るべし、ですが、私は、まだまだ素人の域、少し粉が挽けた程度で浮かれていたことが恥ずかしい、と感じています。それにしても面白いもので、石臼は精密機械のようです。
クリアランスを広げた上臼。
修正前の上臼。
下臼の擦り合わせ状況(擦り合わせ部分が見えるよう、余計な粉を取り除き撮影しています。)
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