2022年5月版 ドローンの飛行方法

ドローン

ここ数年のドローンを巡る法律の改正で、禁止行為がハッキリと決められたこと、仕事と趣味目的の区分が明確になった感があります。最近では、測量用ドローン、農業用ドローン、林業用ドローン等、社会実装の状況が見えて来ました。現段階での官庁の公刊資料やシステムの画面等を添付しますので、参考にしてください。

ドローン規制強化の原点

きっかけは、2015年(平成27年)4月22日に発生した、総理大臣官邸屋上へのドローン墜落事件でした。テロにドローンが使用される危険性が具体化したため、一挙に規制強化が進み、それまで曖昧であったドローンの定義や飛行方法が、法律で明確に定められることになりました。
2016年(平成28年)3月18日(公布)に、「国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他国の重要施設等、外国公館等及び原子力発電所の周辺施設の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」が最初に作られ、その後、対象地域を加える改正があり、2019年(令和元年)5月24日の改正で、法律名を「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律(略称は小型無人機等飛行禁止法)以下、小型無人機等飛行禁止法。」に改名しています。
この法律は、ドローンの種別、重量に限らず、全ての小型無人機等に適用されるもので、指定した施設の300m以内に近づくことを禁止している法律で、主にテロ対策です。
「小型無人機等飛行禁止法」でのドローンとは、「重さを問わず、ドローン全て」です。尚、小型無人機等の「等」は「特定航空機用機器」を意味し、気球やハングライダー、パラグライダー等を指します。
警察庁のドローン関係の広報記事
国土交通省も同じく、規制を強めるための航空法改正を行っていますが、国土交通省は規制強化に併せ、「空の産業革命」といわれるドローンの今後の利活用について、「無人航空機(ドローン)の飛行の環境整備」、「無人航空機(ドローン)のレベル4実現のための新たな制度の方向性」と題したロードマップ(2020.12/10)を発表しました。
2020.12/10 安全性確保と新たな制度のロードマップ

基本となる、飛行禁止空域と飛行の方法 (添付のリーフレット参照)

ドローンの飛行ルール(国土交通省、警察庁連携)

一枚で分かる、無人航空機を巡る航空法規制の変遷

国土交通省が、改正法の交付と施行の期日を入れた、分かり易い図を公表しています。

リモート IDについては、上記の表の2.の通り、例外があります。

機体登録制度の開始(100g以上の機体になりました)

2020年6月24日の航空法の改正でドローンの登録制度が創設され、2021年12月20日からドローン登録システムが開始、事前登録が始まりました。2022年6月20日から、100g以上のドローンには、全て登録義務が付きます。尚、6月20日以前に登録を済ませると、リモートIDは不要です。

国土交通省(航空局)のドローン2システム、1機能

段階的に出来たシステムなのでイマイチ使い難さがありますが、それぞれの仕組みを理解すれば簡単に使えます。特に、機体を複数所持している方や、故障等で機体の入れ替えをされた方は、連携していない部分の手入力作業を覚えておく必要があります。

①ドローン基盤情報システム(DIPS)

最初に出来たシステムで、機体と操縦士の基本情報を入れて各種の飛行承認・許可を申請したり、飛行実績や事故を報告するためのシステムです。このシステムから、飛行情報共有機能にログインできます。

②飛行情報共有機能(FISS)

①のシステムから、飛行情報共有ログインボタンを押すと次の画面が出ます。DIPSのパスワードで入れます。

飛行情報共有機能(システム)の初期画面です。以降、自分の飛行計画を入力します。飛行計画を登録すると、どのポイントで、誰が、どの無人航空機が、どの時間に、飛行しているかが分かるシステムです。航空機操縦者が、何処で無人航空機が飛んでいるのかが分かるシステムだそうです。

③ドローン登録システム

システム開始直後に登録しましたが、色々トラブルがありました。しかし、偶々、今年の3月末に機体の入れ替えをし2回目の登録をしましたが、10日程で登録記号の連絡がありました。事前登録の期間は、相当数の申し込みがあるのだろうと思います。担当部局の方、ご苦労様です。

ドローン飛行のための必須条件

きっかけの事件から約7年。現状では、
①6月20日以降は、100g以上の小型航空機等については、国に登録をして機体に登録記号を表示すること
②航空法上の飛行禁止空域を飛行させる場合には、事前に許可を受けること ※全国一円包括飛行許可を受けることが、奨励されています。 ※空港周辺、150m以上上空での飛行は、個別の許可が必要です。 ※全国一円包括飛行許可があっても、緊急用務空域は飛行できません。
③小型無人機等飛行禁止法で指定された空域は、絶対に飛行させないこと ※限定された例外規定はありますが、詳しくは警察庁HPを見てください。
④航空法で禁止されている方法で飛行させるには、事前に承認を受けること ※全国一円包括飛行許可を受けることが、奨励されています。※催し物上空、危険物輸送、危険物投下等の飛行は、個別の許可が必要です。 ※全国一円包括飛行許可があっても、出来ない行為があるので注意が必要です。
⑤飛行させることが、道交法、民法、電波法、都市条例等に違反しないこと
⑥撮影する映像が、プライバシーの侵害にならないこと
⑦飛行するに当たり、飛行情報共有機能(FISS)で飛行計画の登録をすること
⑧「航空法」と「小型無人機等飛行禁止法」の各規定、「飛行マニュアル」を厳守すること
⑨操縦技術を磨くこと(特に操縦不能時の訓練) ※風の影響や電波のトラブル等、不測の事態もあり、操縦技術を磨くことは必須です。
⑩無用のトラブルを防止するために、飛行場所を管轄する警察署に通報すること ※警備課というセクションが担当しています。
に集約されると思います。

 

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