ドローン諸事情。国産メーカーの躍進に期待しています

ドローン
国内のドローンの数は定かではありませんが、米国と同様、約7割はDJI社製だろうと推定されています。DJI社製のドローンについては、近年、米中貿易摩擦や情報漏洩問題等が指摘されており、複数のマスコミ報道によれば、中央官庁等は新規導入を控えることになった模様です。このような動向を受け、中国製以外のドローンに移行を始めている空撮会社もあるようですが、しかし、安価で高性能な代替えドローンが無いこと、国土交通省がHPに搭載している「飛行許可・承認申請時に資料の一部を省略できる無人航空機」の半数以上はDJI社製のドローンであること、国内殆どのドローンスクールでの使用実績等から、民生機の民間用途については、当面は制限、禁止等の可能性は低いと考えられています。近未来に、中国以外若しくは国産ドローンに転換されることになるのだと思いますが、分野別に緊急度は異なる、と分析している会社(下のYouTube記事)もあります。
いつも視聴し、勉強をさせていただいている「ソラシェアドローン大学」さんの記事をご紹介します。

DJI社製PHANTOM4Pro2.0

色々考えましたが、やってみないと何事も解からないので、当面策として、国土交通省の飛行許可・承認申請が通り易く、操縦性能やカメラ性能が抜群に良いDJI社製PHANTOM4Pro V2.0を購入しました。ドローンスクールと同じ機種なので操作に少し慣れているということも理由です。ネット上で調べましたが、ドローンの用途は確実に広がっており、映像処理ソフトも充実していることが分かりました。自動運航や不測の事態対応能力が高いドローン程、高額で、産業用ドローンでしかも国産、となると個人では手が出ないような値段でした。
PHANTOM4Pro2.0もそれなりの値段ですが、バッテリーは、CPUを搭載しバッテリー残量や充・放電状態等を管理できる物なので、純正品は1個2万円以上します。メーカーは、1個で30分飛行可能を謳っていますが、安全上3割を残して取り替えるのが普通なので、複数個用意することが必要です。国土交通省への許可・承認申請時には、安全性の追加機能として、プロペラのプロテクター着装やGDI GS Proを使用することが条件なので、Apple社のiPad(GS Proはiphoneにはインストールできない)も必要(第5世代か第6世代の中古品がお得)になり、機体本体の価格(約20万円)より数万円の上乗せ予算が必要です。更に、充電器やその他のグッツ、機体が墜落や水没しても2回までは新品に取り替えてくれるケアリフレッシュに加入すると、約30万円程度になります。

国土交通省の飛行許可・承認申請では、PHANTOM4Pro V2.0は、A/B/C注1(プロペラガードを着装した場合のみ許可)、D/E注2(GDI社GS Pro及び機体純正カメラ装備が条件)(A/B/C/D/Eは許可申請時の飛行区分)というランク格付けで、許可・承認申請時に一部の資料(安全機能等)の省略ができます。

飛行許可・承認書をいただきました

国土交通省の飛行許可・承認申請については、インターネットで自分で申請をし、本年10月22日付けで、航空法132条第1項第2号(DID(人口集中地区)地区)、同法132条の2第1項第5号(夜間での飛行)、第6号(目視外飛行)、第7号(距離の確保)について、日本全国における、1年間(令和3年10月25日~令和4年10月24日)の、「無人航空機の飛行に係る許可・承認書」をいただきました。
1週間程度の期間で、許可・承認をいただきましたが、詳細については、別に投稿します。

DJIのドローンアプリケーション

パソコンにOSがあるように、ドローンにも対応するアプリケーションがあります。基本は、DJI GO4というアプリケーションで、Apple社のiphoneかGoogle社のAndroidにインストールして使えますが、何で無料なの?と思えるくらいに良く出来ています。このアプリケーションは、DJI機器専用に設計されたもので、ジンバルやカメラ、機体その他の機能を制御する、と説明されています。機体やバッテリーのアップデートの際に不可欠なアプリケーション(プロポと機体をセットして起動すると、毎回、最新バージョンか否かのチェックがあります。)です。尚、快適に使用するにはタブレットの使用が奨励されています。各種のパラメーターが充実していて、画面をタップすれば、自動離陸・着陸やホームポイントに自動で帰還する機能があります。インテリジェントフライトモードでは、「ウェイポイント」、「フォローミー」、「ポイント・オブ・インタレスト」、「ホームロック」、「コースロック」の機能があります。
DJI GS PROは、上記の通り、iPadにしかインストール出来ませんが、インテリジェンスフライトモードが充実している業務向けのアプリケーションです。iPadで写真を合成し地図上に表示できる「フォトマップ」という機能、KLM/ SHPファイル(地図空間ソフト用)を地図に表示したり、ファイルから飛行ミッションを作成できる「KLM/ SHPインポート」という機能、領域・建物について計測撮影が出来る「測定撮影」という機能、設定した領域から出ない「バーチャルフェンス」という機能、飛行航路、運航条件等を設定するとボタン1つで航路通り飛行した後自動で帰還し着陸する「ウェイポイント飛行経路指定」という機能があり、何れも不測の事態には自動帰還する機能があります。操縦を自動化し撮影に集中できる機能が充実しているのが特徴です。DJI GS PROは、国土交通省に評価されているようで、このアプリケーションを使用することで、飛行申請の際に提出すべき書類の一部が省略できます。尚、建物測定、KLM/ SHPインポート、フォトマップの機能を日常的に使用するのであれば、使用料(順に1,220円、6,100円、36,800円)が必要です。

取説(ユーザーマニュアル)

電子機器やアプリケーションについては、機能が沢山あるので取説をしっかりと読むことが大事ですが、製品の梱包には簡易な物しか付いておらず、ダウンロードしたモノを実際に操作してみるしかありません。戸惑いましたが、DJIのホームページの「サポート」、「ダウンロードセンター」、「Products」を探ると、各機種の詳細なユーザーマニュアルとアプリケーションのマニュアルが、ダウンロード(英語版)出来ることが分かりました。ビジュアルな商品紹介も解り易いのですが、詳しく知るにはやはり、紙ベースの取説が必要です。
日本語版は、ここです。DroneWikiさんのHP
このHPは、ドローンに関する情報が満載で、とても役に立ちます。

GS PRO とGO4の情報漏洩対策

DJI GS PROには、情報漏洩対策を意識した設定があります。「ローカルデータモード」という機能ですが、パスワードを入力して「オン」にするとDJI及び他の組織に情報が送信されない、というもので、DJIがHPでDJI Pilotに実装したと公表(2017.10.3付きプレリリース)しているものと同じものだと思います。但し、情報漏洩の安全は確保されるものの、インターネットを利用したサービス全て(位置情報の探知、飛行禁止エリア等のジオフェンシング機能、地図情報、ファームウェアー更新等)が利用できなくなり(パスワードで「オフ」にすることも可能)、より慎重な操縦が必要、と説明されています。ローカルデータモードだとどのようになるのかを、安全な場所で実験飛行する必要があります。機密性の高い用途の場合に使うものかと思いますが、本当に漏れないのかどうかは確かめられないので分かりません。DJIと、このアプリケーションの使用を条件に許可を出している国土交通省を、信じるしかないのだと思います。
他には、「プライバシー設定」で、リアルタイムフライトデータ報告をオフにすると中国民用航空局にデータ転送されない(通常はオフのまま)、「機体設定」で、リアルタイムフライトデータ報告が“未作動”に固定、されていることも、情報漏洩対策と思われます。
DJI社は、プレリリース(2020,9.9)で、GO4等にも「ローカルデータモード」を数か月の間に導入する、との広報をしていますが、現在のところ、GO4にはそのような設定はありません。

DJI社以外の国外ドローンメーカー

中国関係では、PowerVision社が、「PowreEggX(522g)」という雨の中でも飛行でき水面に着水も可能なドローンを製造しています。Yuneec社は、Intel社から巨額出資を受けドローン市場に参入した会社ですが、「Typoonシリーズ」というDJI社のPhantom4pro(1388g)に似た機種を製造しています。Hubsan社(機種:HubsanX4 AIR PRO(468g))、HolyStone社(機種:HS200(120g))、Potensic社というドローンメーカーもあります。RyzeTech社は、DJI社の協力を受けIntel社の技術を使用しているドローンメーカーで、「Tello(約80g)」という有名なトイドローンを製造しています。中国には、DJI社以外でもかなりの数のドローンメーカーがあります。
純米国製ドローンを謳い「EVOⅡPro(1127g)」を製造、販売しているAutel Robotics社は中国企業の米国子会社ですが、「EVOⅡPro」はDJI社のMavic2Proによく似た機種です。フランスでは、Parrot社が、「BEBOP 2(500g)」、「ANAFI Ai(898g)」という機種等を製造しています。アメリカのFreefly社が、昨年、小型空撮ハイエンド機としてASTORを発表しましたが、UbloxF9P RTK GPSやSkynodeを搭載し、ソニー製のカメラを搭載することが出来ますが、約200万円だそうです。

国産ドローンへの期待

既存の産業用ドローンでは、自立制御システム研究所(千葉大発ベンチャーとして創業、空撮、物流、点検に特化した機種を製造)、ヤマハ発動機株式会社(農薬散布用)、株式会社プロドローン(例:PD4-AW-AQ 着水・離陸可能な防水型ドローン(185万9千円)等)、NTTe-DorneTechnology(例:AC102 農薬散布用)、株式会社クエストコーポレーション(高度250mまで揚げられる「SKY CATCHER PRO」というバルーン撮影機が特徴)、株式会社SKYROBOT(産業用ドローンのメーカーで各メーカーのドローン販売やドローンスクールも経営)等です。株式会社エンルート(農薬散布、測量、インフラ保守点検、災害調査、救助等の産業用ドローン)というのもありましたが、2021年6月3日に会社が解散しています。しかし、この会社の製品は、今でも国土交通省HPの「飛行許可・承認申請時に資料の一部を省略できる無人航空機」に搭載されています。
トイドローンでは、ラジコンメーカーの京商、同じくラジコンモーターの株式会社ジーフォース(moovaという超小型ドローン)、童友社等があります。
国産メーカーも頑張っているようですが、中国のDJI社やPowerVision社、米国Autel Robotics社等のような価格と性能が伴うものを製造するメーカーは、今のところ無いようです。世界の潜在市場規模は15兆円を超えると言われるドローンの世界。是非、日本の技術力で中国製品を追い抜くようなドローンの製造を期待したいものです。

国主導で安全安心なドローン対策が進んでいます

今年6月28日、国が開催した「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会(第16回)」の内容が総理官邸HPにアップされていますが、添付されている配布資料を拝見しますと、今後のドローン利活用の道筋が詳しく書かれているその中に、安全安心なドローンの開発の方向性とか、リモートID技術企画書(案)が示されており、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)により開発されたモデルが紹介されていました。全てのドローンを安全安心なものに改良する方法や、今後のドローンのモデルがどんなものかが、読み取れます。
※リモートID:全てのドローンにIDを付与し、飛行中のドローンの飛行情報や位置情報等を安全な空域管理のために、地上からの識別を可能にするもの。
来年から、機体登録制が本格化し、登録義務のあるドローンが100g以上になり、ライセンス制の導入も具体化して、本格的に産業に使用する時代が来るドローン。
真の安全と安心は、国産ドローンの開発にかかっていると思います。

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