意外と面白い、放送大学

放送大学

50の手習いとして始めた放送大学での学習。ツボにはまり3回卒業し、今は一応、終了していますが、大変、有意義だったので感じていることを書いていきます。

入り口はネット広告

前職で他機関に出向したことがあり、組織間の繋ぎというのが仕事の内容でしたが、割と自分の時間が取れるポストでした。そんなある日、ネットで放送大学の広告を見て、興味を覚えました。子供の頃、十分な機会があったのに勉強をせず高卒で就職しましたので、改めて勉強する良い機会かも、と思い門を叩きました。

放送大学とは

これまでに160万人が卒業し、現在9万人が学んでいる、マンモス大学です。

放送大学と聞いて、殆どの人は「何それ?」という感覚だと思います。改めて紹介しますと、学校教育法に基づく正規の通信制大学(私立)で、学部は教養学部しかありませんが、部の中に「生活と福祉、心理と教育、社会と産業、人間と文化、情報、自然と環境」の6コースがあります。
大学院も設置されており、博士課程もあります。(放送大学学園法という法律に基づき放送大学学園(文科省、総務省所管)が設置した大学)各都道府県に拠点となる学習センターが設置されていますが、授業が公開されていますので、インターネット、BSテレビ、ラジオ、スマートフォン、タブレットで、何時でも何処でも色々な手段で、学べます。
学部の学生の種類は、4年制の全科履修生、1年間希望科目を履修する選科履修生、半年間希望学科を履修する科目履修生、3か月間(司書、看護師)資格取得に資する科目履修の集中科目履修生に分けられます。
全科履修生の卒業要件としては、科目区分に係る要件として、基礎科目14単位(うち外国語2単位)、コース科目(導入、専門、総合)76単位、科目区分を問わない34単位の計124単位があり、授業形態区分として放送授業94単位、面接授業又はオンライン授業20単位、授業形態不問10単位の計124単位というものが定められています。

最初の感想

15年も前の話ですが、必要な手続きを終え、最初の授業を受けに地元の学習センターに行くと、教室には、80歳超に見える方、若い女性、中年の女性、車椅子の人、初老の人等など、現役世代しかいない職場とは異なる、各世代が入り混じる小社会で、初めて見る光景でした。
色々な年代や態様の人々が前向きに学習している、と思うと、これまでの自分が恥ずかしい気持ちになったことを覚えています。全く知らない世界でした。

授業の形態

放送大学の授業形態は、放送授業(1科目2単位)、面接授業(1科目1単位)、オンライン授業(1科目1~2単位)の3形態です。
放送授業は、教科書を事前に購入し、カリキュラムによる授業を視聴しながら学習します。途中で担当教授の指導があり、郵送する宿題に合格すれば、単位認定試験が受験できるという仕組みです。この試験があるのは、放送授業だけです。難しいモノもあれば簡単なモノもありますが、私は5回、追試を受けました。
面接授業は、全国の学習センターに特色ある科目が用意されているので、他県に出向いて面白い授業を受けた後、観光する、友人との旧交を温める、という使い方がお勧めです。
オンライン授業は、現下のコロナ禍の中で、全国の殆どの高校、大学で行われているオンライン授業の先駆けみたいなものです。

学習の仕方

放送大学は、年2学期制で、それぞれの学期毎に予め、受けたい科目を申請します。4年間で卒業を目指すとすれば、結構、タイトなスケジュールになると思いますが、自身で卒業する時期を決め、学習計画を立てるとスムースです。例えば、1年次の1学期には、放送授業7科目(14単位)面接授業4科目(4単位)、2学期には放送授業8科目(16単位)1年で34単位、というように年次取得単位を考えながら学習すると良いと思います。
単位認定試験は、全国の会場で同じ期間割で同じ科目の試験が行われます。合格は60点以上で、評価でいうとC 以上です。評価は〇A、A、B、C、D、Eまであり、面接授業は合否のみです。私は幸い4年で卒業(在学:最長10年)できましたが、4年間の学費は、面接授業で他県へ行った旅費は別として、71万円程度だったと思います。学業成績の良かった学生には優秀学生賞が贈られます。私は、CやBが混じる成績でしたが、放送大学エキスパートを活用しながら学習したことが良かったのか、この賞をいただきました。

教授陣

放送大学で学習していて驚くのは、放送授業にせよ面接授業にせよ、教授陣の顔ぶれが凄い事です。先生方の天下り先かも?とも思いますが、立派な研究成果を残した方々ばかりで、授業の進め方もとても上手でした。特に専門性のある授業は、第一人者のような方が多く、先進的な知識を得ている、と実感できました。大学は、偏差値でランク分けされていますが、放送大学は評価外扱い、しかし、先生方の偏差値は相当高い、と思います。

通信指導は、担当教授から直接していただくものですが、肉筆での添削もちょっと、感動もので、学習意欲が増したのを覚えています。

放送大学卒の評価

放送大学の卒業生が、社会に出てどのような評価があるのか、全貌は分かりません。ネットの相談欄等には、放送大学卒だけど履歴書に書けるの?とか、面接官はどう感じるものなの?とか、マイナーな感じのものを見かけますが、160万人の人が学んだ放送大学の卒業生がその後どうなったのか、知りたいところです。
私の場合をいうと、職場では殆ど評価にされていませんでした。何せ55歳で高卒の採用区分を変えるような行為なので、何を今更という感じでした。職場の先輩や同僚にも、高卒で奉職し、通信制の大学を苦労して卒業した方が何人かおられましたが、何れも、やっかまれ、陰口を言われているのを見聞きしました。そんな暇があったら仕事をしろ、という反応が大多数で、特に田舎は、通信制の大学には入れる機会が殆ど無く、奉職から定年退職まで採用区分が変わることはまず、ありません。社会の空気自体がそんな感じです。
確かに学歴だけを考えると、あっても変な人もいますし、大学を出ていなくとも人格も業績も立派な方は沢山おられます。特に、職場教育が充実している職種は、仕事の中で人格形成、知識習得、といった考え方があり、脇見をせずに仕事しろ、仕事を、となるのだと思います。私の場合は、待遇を変えて欲しいからだった訳ではなく、様々な知識を得ることによる自信の確保、でした。しかし、知る程に、逆に自分の無知さ加減に気付く、ということを学びました。
ずーと以前、SNSで何処かの某国大の教授が「だから、・・・・君は、放送大学卒なんだよ。」と罵っていた処に「放送大学は正規の大学です」と割って入った人が居て、その人に反論した某国大の教授に対し、その人は「私は学長です」と毅然とおっしゃり、偏見を成敗したことが話題になったことがありましたが、放送大学だから駄目だ、ということは当然、ありません。卒業された方、今在籍中の方も、自分から引け目に感じることはないと思います。放送大学には、入って出た者にしか分からない苦労や楽しさがあります。

人間の贅沢、ひとつ

イメージソングは、小椋佳さんの作詞作曲です。

放送大学のイメージソングの一つに「人間の贅沢、ひとつ」というものがあります。有名な小椋佳さんの作詞、作曲のもので、東大卒のエリートらしく他の曲と同様に、詞がとても高尚な感じのものです。特に心に響く、二番をご紹介します。
「押付けられ 義務付けられ 学びをただ疎んだ日々、今にすれば懐かしさに 笑みを浮かべ思い返す、今は言える 楽しいから 嬉しいから 好きだからと、学び続けて上る坂道 実りの明日が垣間見れる、思えば学びは 人間が味わえる最高の贅沢の一つ、望めば学びは 誰もが手にできる、最高の贅沢の一つ、何時か言おう 精一杯良い命を生きて来たと、何時の時も 瑞々しい青春気分抱いていたと、真実へと 飽くことなく 可能性を追いかけたと、学び重ねて 書き終わらない自分史に 悔いはないと」
何ともピュアな、恥ずかしくなるような詞ですが、卒業して振り返ると、共感を感じます。長くなったので、次回持越しです。

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