美味しい、打ち易い蕎麦粉とは  ~ハーネス河合そば粉加工所編~

十割蕎麦
蕎麦打ちが蕎麦粉に求めるものとは、蕎麦本来の旨味や香りが豊かであること、色が綺麗なこと、打ち易いこと、保存が効くこと等ではないでしょうか。

福井県在来種であること ~美味しいのは当たり前~

蕎麦の美味しさは、玄蕎麦の質です。外国産が沢山輸入され消費されていますが、何と言っても、産地独自に育った在来種は、品種改良された玄蕎麦と異なり、深い味わいがあります。特有の土壌と気候にあった育ち方をしているため色や形が様々ですが、その分、複雑な美味しさになるようです。
福井県には在来種が22系統あることが分かっていますが、何れも優劣付け難い良質な玄蕎麦、と言われています。全てを試したことはありませんが、福井産、あわら産、坂井(旧丸岡)産、大野産、勝山産、永平寺産、越前産、南越前産、池田産等、個性豊かな玄蕎麦が揃っています。ハーネス河合が扱う玄蕎麦は、主に福井、あわら、坂井産の玄蕎麦です。
県の蕎麦関係の施策も幅広くなっていますが、福井放送が15年振り2回目となる「ふくいのそばびと」という本を最近出し、福井で蕎麦に携わる人々と福井の蕎麦の魅力を紹介しています。興味のある方は、是非ご覧ください。

打ち易いこと

打ち易さとは、簡単に言えば蕎麦粉の鮮度と、粒度によるものだと思います。鮮度が悪いと乾燥が進みパサパサになり、繋がる力が損なわれ、打ち難いものになると思います。粒度は、蕎麦の実の欠片が混じる粗い粉、それに蕎麦殻が混じる粉もありますが、このような粉は、鮮度が良くても経験が無いと打ち難いものです。
逆に、60メッシュの篩を通った粉や、更に70メッシュの篩を通った粉等は、細かい粉、超細かい粉に分類されますが、このような粉は打ち易い粉とされています。
十割蕎麦が打てない、というのは、粉の鮮度と質の問題であり、適度に湿り気が残る、60メッシュ以上の篩を通った新鮮な蕎麦粉であれば、誰でも十割蕎麦は打てます。

ハーネス河合の丸抜き   ~粒揃いで色が綺麗、鮮度抜群~

粒揃いの綺麗な薄緑色をした今年の新蕎麦の丸抜き。手に取ってみると何とも愛おしい感じ。単に粉を買って蕎麦を打っていた頃と異なり、石臼に向き合い、本格的に自分で粉を挽きだしてからは、玄蕎麦や丸抜き、蕎麦粉を見ていると、生産者のどんびゃくしょう吉田さんや水戸守さんらの顔が浮かび苦労が見え、宝石に触れているような感じになります。
本当に、綺麗で粒揃いの鮮度抜群の丸抜きです。

石臼の調整(目立て、回転数、投入量)が上手くいったら丸抜きを挽いてみたら、とハーネス河合の水戸守さんからアドバイスを貰っていましたので、半月ほど前に5キロ購入していました。専用の袋(精米用のコメ袋)に入っていましたので冷蔵庫の野菜庫で保管していましたので、鮮度は維持されています。3キロを挽いてみました。さて、上手くいくのか?

回転数は13.5回転、投入量は以前の半分程度

玄蕎麦を挽くのとは異なり、丸抜きは粒と粒の抵抗が少ないのか、投入(落下)の速度は速くなりました。自動投入機に投入量の調整弁を作りましたので、投入量を絞り玄蕎麦の半分程度の量を投入し、後は、石臼の回転音を聞きながら、粉の出具合を見ていました。

投入量が多いと上臼が浮き音が小さくなりますが、少ないとゴロゴロという音になります。観察していますと、私の感覚ですが、丁度良い加減の投入量になった時の音とは、空飛ぶジェット機の通過音を地上で聞くような音、字では表せませんが、ゴォーーーーーーーーーーというような低く響く音、平均して臼の外周部が擦れているような音、ではないかと感じています。

60メッシュを通った粉が2,481g

丸抜きは、蕎麦殻の処理が要らないので仕分けは随分と楽です。挽いた粉を最近導入した、手動ふるい機で篩ったところ、60メッシュを通った粉が2,481g取れました。歩留まり率は83%で、60メッシュの篩に残った粉を34メッシュの篩を通したところ約200g取れました。

何時もは、34メッシュの篩にかけ、少し荒い粉が混じった粉で蕎麦を打ち、粒粒感を感じるような十割蕎麦を打っていますので、34メッシュの粉も使います。合計で約2,680gですので、歩留まり率は89%になりました。最初にしては上出来かとは思いますが、未だ、高められると思います。ルーターで彫った小溝の深さとの関係を再度考え、調整します。

自作石臼挽きは、ブレンドできるのが楽しみ

粉で買っても丸抜きで買っても、歩留まり率を考えれば、丸抜きの方が少し安い程度で、コストは僅かの差です。しかし、打ち易い60メッシュの粉の他に手に入れることが出来る、34メッシュやそれ以上の大きい粒度の粉とのブレンドが楽しみです。挽いた粉の8割以上が60メッシュの篩を通った粉であれば、挽けた粉全部を使って蕎麦が打てます。つまり、丸抜き丸ごとを挽いた十割蕎麦が打てます。「さなこ」と呼ばれる粗い篩に残った粉には、旨味と栄養分が豊富にあるので、全てを使ったり、少し混ぜたりすると、趣きのある蕎麦になるかも知れません。又、玄蕎麦と丸抜きを一定割で混合して挽くと、蕎麦殻の旨味、渋みが混じる、面白い粉が出来ると思います。
自作石臼で蕎麦粉を挽く大きな理由は、このブレンドにあると思います。一層、精進します。

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