トラックの飲酒運転事故、児童2人が死亡、3人が重傷

点呼ネタ
亡くなられたお子さんのご冥福をお祈りしますとともに、お怪我をされたお子さんの一日も早いご回復をお祈り申し上げます。

今時、信じられない事故

未だにこんな運転手がいるんだ、と思うと同時に他にも居るのかも知れないなぁ?とも感じました。5~6年前、県西部の国道沿いの駐車場でトラック運転手が運転席で缶ビールを飲んでいるのを目撃したことがあり、その記憶が蘇ったからでした。第二の人生で運送屋に勤め、運行管理者やドライバー等に対し、安全運転指導や労務管理等を担当していた小生には、何ともショッキングな事故でした。

勤めていた会社は、小さな運送会社でしたが、経営者のコンプライアンス遵守の意識も運行管理者とドライバーの質もかなり高く、関係する法規に違反するようなことはありませんでした。ただ、これでは儲からない、他の会社は真面目にしていない、と言われたことはありました。

結構、大雑把

トラックの悲惨な交通事故や労務災害を防止するため、運送業は、相当細かく法律、規則、解釈等で縛られています。国家試験である運行管理者(貨物)試験は、100点満点中60点以上で合格ですが、合格率は毎年、3~4割程度と低く、難しいとされています。受験専門誌もありますが、都道府県に設置されている支援組織が主催するセミナー、独立行政法人ナスバやヤマト・スタッフ・サプライ等の業者の受験講座等が用意されており、勉強さえすれば受かる試験だと思います。試験以外でも、5年の実務経験があり所定の講習を5回以上受けた人も合格、という制度もあります。運行管理者に選任されたら2年に一度講習の受講義務がある他、大きな事故があった場合も講習受講の義務があります。関係法規は、事業者と運行管理者に大きな責任を負わせていますが、専任担当者が複数居ない限り、法が求めること全ては網羅できないと、強く思いました。
現場から見ると、折角合格しても殆どの人は、大雑把にしか覚えていない、内容を忘れている、という人が多いのが印象でした。人を見て法を説け、でやっていましたが、現場のやり方がある、儲からない、何処の会社も真面目にしていない、等と煙たがられてはいました。

アルコール検査は、基本中の基本

大雑多な知識であっても、交通事故を直接的に防止すること、犯罪を予防することは、深く浸透していて、特にアルコールのチェックは、基本中の基本です。こればかりはどこの運送会社も履行しているものと思っていましたが、テレビの前で謝罪した社長は、アルコール検査はしていません、今後改善します、定期的に安全会議をしていました、仕事はまじめな人でした、という内容の会見振りでした。厳しいことは言わない、仕事さえしていれば何をしても良い、規則はお飾り、という日常が、目に浮かぶような謝罪会見でした。
法体系で細かく規定し、複数の監督官庁があり、独立行政法人や都道府県単位の支援組織もあるというのに、今時こんな基本が守られていない、ということに驚いています。確かに、経産省キャリアがコロナ支援金詐欺をして豪華生活をしていた話とか、政治家や地方公務員の犯罪等もある中、職業運転手の過ちは不思議ではないのですが、こんな基本中の基本を守らないために起きた大きな犠牲を伴う事故は、本当にやるせない思いです。

理想より慣例

どうしようもない長年の慣例があり、法律を作っても直ぐに適用できないという理由があれば、適用の延長制度があります。平成30年に制定された働き方改革関連法の中のドラックドライバーの残業規制(罰則付き)がそうですが、厚生労働省は当面策として「改善基準(告示)」を定めました。

法は5年間の適用猶予ですが、この間に、改善基準(告知)の拘束時間3,516時間(労働時間と休憩時間の合計)は、法が適用される2024年(令和6年)4月からの時間外労働時間の上限が「休日を含まず年間960時間」となると、216時間長くなるという矛盾、ダブルスタンダードになることの解消が求められています。目下、専門部会で、改善基準改正のための検討が続いていますが、改定予定の2021年12月スケジュールも危うくなっている、と聞きます。このままでは、法律に規定する限度残業時間960時間を守れない、といということになりますが、課題は多く、例えば、荷待ち時間の問題は、運送会社の責任ではなく荷主会社の責任であり、多くのコンセンサスが必要になり、業界としては実情を訴えている中、適用の再延長にも期待を滲ませているとか。

罰も承知で守らない、後5年、後3年。適用年(2024年(令和6年)4月)になったらどうするのか?その時考える、まだ大丈夫だろうコロナ問題があるし等と考えている事業者さんもいるようです。

大きな会社は、ドライバー二人制を導入したり、旅先に宿泊施設と交替ドライバーを用意しクリアする準備を整えていますが、中小企業で、夜出て夜帰る勤務パターンで旅先はトラックの中で休息をとる、という形態の営業は、適用後は危うい状態になります。

長くなりましたので置きますが、今回の事故は、日本の重要なインフラである物流の大きな課題が垣間見れます。

 

運行の安全は、休息中の睡眠です

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