通なら何時でも食べたい蕎麦ですが、中には蕎麦は絶対に無理、という方もおられます。蕎麦を打つ者としては、蕎麦アレルギーの知識も必須です。実は私の息子もそうですし、蕎麦粉を分けていただいている農家の人のお孫さんも蕎麦アレルギーです。確かに、蕎麦が駄目という人にこれまで何人にも出会っています。一般に食物アレルギーは、年齢を重ねると自然に治癒するそうですが、そばアレルギーは年齢に関係なく発現するもので、特に大人になってからのものについては、治ることは殆ど無いそうです。嬉しそうに蕎麦を奨めたら蕎麦アレルギーの人だった、ということになれば、大変失礼なことですよね。気を付けなければ、と思います。そばアレルギーについて掘り下げてみました。
アレルギー物資表示義務7大食品 ~食品衛生法~
卵、乳、小麦、そば、落花生、エビ、カニを使用した加工食品のことで、この他にも表示推奨食品として、イカ、牛肉等、20種類あります。
消費者庁資料
アレルゲンとは
アレルギー疾患を持っている人に、アレルギー症状を引き起こす原因物質のことで、食物の他にも、花粉や埃等の吸引性アレルギー物質、漆等の接触性アレルギー物質があるそうです。
そばアレルギーの位置付け
そばアレルギーは、そばに含まれるタンパク質が原因で起こりますが、早ければ秒単位で、遅くとも2時間以内に症状が出る「即時性アレルギー」であり、また、症状が重篤になる「劇症型アレルギー」でもあります。
症状
皮膚粘膜症状
周りが赤く腫れる、口の中や喉がイガイガする、粘膜が腫れる、ただれ、眼が充血する、眼球が腫れる、瞼の内外が腫れる、皮膚に赤い発疹、痒み、顔面の紅潮、蕁麻疹等
呼吸器症状
くしゃみ、鼻水、鼻つまり、声がかすれる、気管や気管支が狭くなり呼吸困難、喘息様の咳等
消化器症状
吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、血便、内臓の腫れ等
アナフィラキシー
皮膚粘膜症状、呼吸器症状、消化器症状が、急に起こり、血圧低下、意識消失が起これば、「アナフィラキシーショック」といい、生命に危険のある重篤な症状。そばアレルギーは、アナフィラキシーショックを起こしやすいそうです。
日本アレルギー学会「アナフィラキシーガイドライン」
https://anaphylaxis-guideline.jp/pdf/guideline_slide.pdf
食堂の茹で釜に注意
多くのメニューを持つ食堂、うどん、蕎麦店は、茹で釜を区別せずに麺を茹でている場合があります。蕎麦を茹でた釜でうどんを茹でると、茹で汁に蕎麦粉が混じっていて、知らずにそばアレルゲンを口にする場合があります。過敏な人は、湯気でも反応する場合があるそうです。
気を付けたいその他の食品等
そばは、香りも良いために色々な食品に添加されています。例えば、そば饅頭、お菓子、パンケーキ、パスタ、ハチミツ(蕎麦の蜜使用)、お茶、お酒等で、食品に表示されている項目をよく確認することが大事です。胡椒瓶は、量を増すためにそば粉を混ぜる場合があり、注意が必要とのことです。
旅館等でそば枕を使用している場合がありますが、その枕もアレルゲンになる可能性があります。
万が一、蕎麦アレルギーになったら
まず、身体からアレルゲンを出すことが先決なので、吐き出し、アレルゲンを薄めるために水を飲む、その後、病院に行くことが推奨されています。
そばアレルギーと新型コロナワクチン
厚生労働省には、新型コロナワクチンの接種に当たりアレルギー症を心配する人が多数問い合わせているらしく、公式HPで回答があります、参考にしてください。
コメント