2021年、石臼の目立ては、まずまずの出来でした

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十割蕎麦
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明けましておめでとうございます。今年最初の記事は、昨年の石臼のメンテナンス結果です。備忘録として整理しましたので、書いていきます。
昨年の6月以降、倉庫に眠っていた自作電動石臼を本格的に再調整しました。19年前に譲り受けた石臼を、15年前に見様見真似で電動化した石臼は、回転数が1分間18回転というモノでしたが、上臼のクリアランスや下臼の斜角度が整っておらず、大溝小溝の深さや噛み合わせがバラバラで、34メッシュ程度の粗い粉が出来るだけ、という代物でした。それでも、粒粒感のある風味豊かな麺が出来るので、それなりに満足していましたが、定年を機に、細かく挽ける石臼を目指し、時間をかけて取り組みました。
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下臼の削り直し 6月

長年、お付合いのある農家さんの大きな石臼は、下臼の面がほぼ平らで溝が揃っていて、溝と溝の間の丘はビシャンで細かく叩かれており、外周部の擦り合わせ部分も均等で、如何にも細かい粉が出来るような下臼でした。確かに挽いた粉は、粒度が細かい打ち易い粉です。師曰く、石臼は何回も何回も調整が必要で、上手く粉が挽けるようになるまでに何年もかかる、奥が深いが、余り嵌らないことだね、とアドバイスをくれました。
私の石臼はと言えば、写真の通りの不揃いな表面。アドバイスを受け、覚悟を決めて、一から遣り直すことにしました。まず、サンダーを使い下臼の表面をほぼ、平らに削り、8本と10本の大溝を切りました。溝は、本来、手斧を細かく使い付けていくのですが、石臼が小さいと角が欠けてしまいます。サンダーで溝を付けるのが安直なのですが、如何せん回転力が強いので、暴れます。11月下旬にも調整をし、この時にコントローラーというサンダーの回転数を調整する道具を買いましたが、最初から導入しておけば、サンダーを上手く使いこなせたと思います。

大溝間の山の部分は、電動ルーターを使い細かく彫りました。臼が小さいと山の面積が狭いので、手斧だと溝に近い部分が欠けてしまいます。何か良い手は無いかと思案しググッていたところ、電動ルーターを使うと上手くいくとの投稿がありましたので、早速試してみました。有難いもので、細かい部分も欠けずに小溝が掘れました。
ルーターは充電式のモノとコード式のモノがありますが、石臼には必ず、使用時間がエンドレスであるコード式を導入するべきです。直径35センチ以下の小さい石臼には、手斧より電動ルーターの方が確実に適しています。

蕎麦の実供給機の改良 11月上旬

石臼に蕎麦の実を投入する装置は、電磁石のソレノイドと小さな木の升を使っています。仕組みは、蕎麦の実が小さな木の升に一定量(15粒から30粒程度)入ったところで、ソレノイドが引っ張り石臼の中に落ちる、というものですが、木の升に入る量が投入量になりますので、臼の回転に応じた適量を調整するのが難しいものです。多いと上臼が浮いてしまい、少ないと擦り合わせ時間が長くなる、というもので、電動石臼の一番難しい部分だと思います。
玄蕎麦だけを挽いたところ、回転数に応じた適量が供給できたのか、34メッシュを通る粉の中に60メッシュの粉が、相当量、出来るようになりました。
何回か挽いた結果を集計すると。歩留まり率は7割程度で、殻を篩った後に、60メッシュを通る粉が約7割、34メッシュの粉が約2割(後の1割は、さな粉)ということで、玄蕎麦だけを挽いた粉から十割蕎麦が打てました。只、この段階では、玄蕎麦のデータだけでした。

上臼のクリアランスの改良、外周部の調整 11月下旬

この頃、ハーネス河合の水戸守さんとめぐり逢い、自作石臼の診断をしていただきました。アドバイスは、上臼のクリアランスをもう少し広くということと、回転数をもう少し遅く、ということでした。回転数は、単相100Vのモーターなのでインバイターは付かないため、歯車で調整することにしまし、まず、上臼のクリアランスを広げました。
臼の仕組みは、上臼が回転し下臼と摺り合うことで粉が出来るものですが、クリアランスが狭いと上臼が浮き勝ちになるというもので、粒が粗くなる原因でもあります。広げた後に挽いた結果は、上臼に付く蕎麦粉の幅が狭くなり、外周部に大きな力が集中しているようでした。
コントローラーの導入で、サンダーの回転力の強さを調整できるので作業は凄く容易になりましたので、上臼と下臼の外周部の擦り合わせ部分の調整も行いました。ルーターで彫った溝を浅くし均一な深さにしました。このように、コントローラーを付けたサンダーは、微調整に使えます。やはり、道具が肝心、だと思います。

上臼と下臼の外周部の擦り合わせ部分の調整後です。

 

上臼の回転数を13.5回転に 12月上旬

アドバイスの二つ目の回転速度の調整をしました。モーター軸と上臼軸の二か所に歯車が付いていますが、上臼軸の歯車を15個から20個に変更し、18回転を13.5回転にしました。結果は、じっくりと挽いているような感じになったのが印象的で、供給量がピッタリになれば、18回転の時と同様、60メッシュを通る粉は、玄蕎麦で約7割、丸抜きでは約8.5割取れることが分かりました。この頃、蕎麦を挽いている石臼の回転音が、高所を飛ぶジェット機のゴォーゴォー・・・・・という低く響く音のような時が、一番良いことに気が付きました。

蕎麦の実供給機の微調整弁追加 12月上旬

玄蕎麦と丸抜きでは、摩擦係数が違うのか、落ちる量が異なります。丸抜きの方が早く落ちる感じです。両方挽きたいので、供給装置に調整弁を付けました。素人仕掛けの供給機ですが、一応、止まらずに機能しています。只、放置はできませんので、まだまだ、改良か作り直しが必要です。この難しさが、ドツボに嵌る原因なのでしょう、抜けられません。

手動ふるい機の導入 12月上旬

今まで、何種類かの篩を使い、使用前のゴミ袋の中で粉を篩っていましたが、國光社の手動ふるい機を導入してからは、玄蕎麦を挽いたのならば、篩は殻取り用の20メッシュと、60メッシュの組み合わせ、丸抜きならば、60メッシュだけで細かい粉が取れるようになりました。60メッシュの篩に残った粉は、再度、34メッシュで篩って粗い粉も取っています。
規模が小さいので、今のところ、手動ふるい機で十分です。

2021年の結果

粗い粉しか挽けなかった自作電動石臼でしたが、名人達のアドバイスのお陰で、玄蕎麦も丸抜きも、60メッシュの篩が通る粉が大量に取れるような石臼になりました。年末は蕎麦打ちに追われましたが、ハーネス河合の玄蕎麦と丸抜きを、自作電動石臼で挽いた粉と、ハーネス河合の粉を比較しながら打ちましたが、打ち具合、味、風味は、ハーネス河合の粉に近くなったと自負できる位になりました。

自分の石臼で粉を挽く楽しさは、鮮度が抜群に良いということと、何にも増して丸抜きの粉と玄蕎麦だけの粉との、ブレンドが楽しめることだと思います。二八、半々、十割と言うと、普通は、蕎麦とつなぎの割合ですが、玄蕎麦十割粉と丸抜き十割粉の割合でも使える言い方だと感じています。
十割の十割とは、玄蕎麦だけを挽いた蕎麦粉での、つなぎを入れない十割蕎麦のこと。本当の「越前ブラック」ですかね。細かい粉が挽ける石臼になったことで、粗い粉用の石臼をもう一つ、欲しくなりました。本当に嵌ってきたのかも知れません。2022年も乞うご期待。

 

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