小スペースで使える、蕎麦打ち台の改良策

十割蕎麦
延し板の広さは、市販品では小さいサイズで60㎝×60㎝、普通の広さで90㎝×90㎝、大きいサイズだと100㎝×120㎝位だと思います。打つ量により広さが変わりますが、蕎麦屋さんなら、常設の打ち台を設け広さも十分に取れますが、一般家庭で打つ場合は、大きな延し板は使いませんね。多くの方は台所のテーブル等を打ち台替わりにお使いだと思います。蕎麦を打つ際には、延し台だけでなく、延し棒3本、蕎麦包丁、刷毛、花粉入れ等の蕎麦打ちに使う道具が、延し台の上若しくは近くに無いと不便です。私も色々と試行錯誤しながら、コンパクトに使える打ち台作りをしています。未だ、完成形とは言えない状態ですが、私の打ち台をご紹介します。

延し板と延し板台

延し板は、蕎麦を始めた約20年前に池田町の木工所で購入したものです。厚さ約1㎝のシナ合板に厚さ4㎝木枠を付けた97㎝四方のモノですが、結構重くてしっかりとした延し板です。米の研ぎ汁やクルミ油で時々手入れをしていますので、20年が経過していますが、表面はツルツルで水分も適度に吸収する等、延し板としての状態は良好です。
打ち台は、ヒバの折り畳み式のモノで、広島の工房おがわさんで購入しました。HPを見ると商品サンプルの画像はありますが、現在の取り扱いは無いようです。どっしりしすぎて移動用には少し不向きかと思います。基本的には、この延し板台に延し板を載せて蕎麦打ち台として使っています。脚に大きな節が幾つもあり最初は気になりましたが、機能的に問題はなく、今では色合いも良くなり、節は特徴の一つ、個体の識別だと思い愛着を感じています。

高さ調整用のスペース

延し板台の高さは71㎝で、厚さ4㎝の延し板を載せると75㎝になりますが、私の場合、打ち台の高さで理想とされる両手親指先が台に付く高さは80㎝なので、5㎝低いことになります。最初の頃、この75㎝の高さで打っていましたが、腰が痛くなることが多いので、延し板台と延し板の間に高さ調整用のスペースを設けることにしました。
スペースをホームセンターの2×4材で作ったところ約10㎝のスペースが出来、物入れとしては良好でしたが、打ち台の高さが約85㎝になってしまい、少し高くなってしまいましたので、この後、紆余曲折、数回、スペースの高さ調整をし、現在は、厚さ6㎝の寄木切り板を打ち台の上で楽に使えるよう、理想の高さとされる80㎝の打ち台になっています。

粉受け溝

延し板は、97㎝四方ですが、手元や奥に粉がこぼれることが多々ありました。オーダーメイドの打ち台や蕎麦屋さんの打ち台には、粉受けが付いています。自分の板にも取り付けられないかと市販のモノを探しましたが、あるけど高い。自分で作ろう、となりました。割と簡単で、長さ97㎝、3㎝×3㎝の檜の角材と、長さ97㎝、4㎝×1㎝の檜の板を2セット用意し、延し板の手前と奥に取付けるだけで、粉受けが出来ました。延し板のサイズは、幅は変わらず97㎝ですが、粉受けの分奥行きが広くなり105㎝になりました。有るのと無いのでは大違いで、この粉受けは結構、良い仕事をします。打ち台の周りが粉で汚れなくなりました。

左右の羽

私はこの延し板(97㎝×105㎝)で毎回、十割蕎麦の2キロ打ちをします。延ばし方は、麺の太さにもよりますが、幅を約86㎝取り、順次、奥に約130㎝延ばし、最終的に八折りにした状態で、長さ約65㎝×幅約22㎝にしています。
当然、延し板全体を使いますので、延し板の上には何も載せることが出来ません。最初の頃は、打ち台に作ったスペースを使ったり、打ち台の下に置いた板の上に置いたりしていましたが、モノを取る度に姿勢が変わるので、直ぐ手が届くところに羽様の置台を作ることにしました。左側は延し棒3本の置き場です。右側は蕎麦包丁、刷毛、花粉入れを置いています、延し棒置きは、丁度都合の良いものがあったので、延し板の台を買った広島の工房おがわさんで購入しました。手前と奥に粉受けの板を付けカスタマイズしています。
取付け位置は、高さを調整するために作ったスペースの2×4材で、簡単に脱着できる専用の金具で取り付けます。大事なことは、延し板で延し棒を操作する際に脇の延し棒に接触しないかどうか、です。接触しないような高さにセットしています。
右側の羽は自作です。取付け位置は左側と同様で金具も一緒ですが、集合材の板を棚受金具で挟み込んでいます。結構しっかりしたもので、板の幅にもよりますが15㎏の重さに耐えるモノです。左右幅は、138㎝になりましたが、割と狭いスペースで蕎麦打ちが出来るようになりました。
麺棒置台

包丁、刷毛、花粉置台

小スペースでの蕎麦打ちを目指して

自宅で蕎麦打ちをされる方は、台所か専用の一室で打たれると思います。出来るだけ狭いスペースで、効率良く蕎麦打ちをするには、道具のカスタマイズは重要です。試行錯誤しながら少しでも、手軽に、便利に打てるよう、改良を繰り返しています。ご参考になれば幸いです。

 

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